監修:株式会社リエア 代表取締役 浦野芳徳(リラクゼーション業界歴19年) カテゴリ:健康経営・ウェルビーイング・人事戦略
| この記事でわかること ・ウェルビーイング経営の定義と、健康経営との違い ・ウェルビーイングの5要素「PERMAモデル」とは何か ・職場でウェルビーイングを実現するための具体的な施策 ・リラクゼーション施術がPERMAの5要素にどう関わるか ・今日から始められる「体験型ウェルビーイング施策」の第一歩 |
「ウェルビーイング経営に取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」「健康経営とウェルビーイングはどう違うのか」——こうした疑問を持つ経営者・人事担当者が増えています。
ウェルビーイング(Well-being)は「幸福・良好な状態」を意味する概念で、身体的・精神的・社会的な健康を包括的に捉えます。従業員の「疾病予防」にとどまらず、「幸福感の積極的な醸成」を目指す点が健康経営との最大の違いです。
本記事では、ウェルビーイング経営の基礎から、リラクゼーション施術がどのようにその実現に関わるかまでを解説します。
ウェルビーイングとは何か━━WHOの定義から
ウェルビーイング(Well-being)という言葉は、世界保健機関(WHO)の健康の定義にも登場します。WHOは健康を「単に病気や虚弱のない状態ではなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態(Well-being)」と定義しています。
ビジネスの文脈では、従業員ウェルビーイングとは「従業員が身体的・精神的・社会的・財務的・目的意識の面でも良好な状態にあること」を指します。単に「病気でない・欠勤しない」ではなく、「仕事に意味を感じ、人間関係が良好で、心身ともに生き生きとしている」状態を目指します。
| ウェルビーイングが注目されている背景 ・人手不足・採用難の時代に「良い会社で長く働きたい」という価値観が強まっている ・リモートワークの普及で「出社の価値」「職場の意味」が問い直されている ・Z世代を中心に「給与だけでなく働く環境・幸福感」を重視する求職者が増加 ・ESG経営・SDGsの観点から「従業員の幸福」が企業価値の一部として評価されるようになった |
健康経営とウェルビーイング経営━━何が違うのか
「健康経営とウェルビーイング経営は同じではないですか?」という疑問をよく受けます。関連はしていますが、目的・対象範囲・アプローチに大きな違いがあります。
| 比較軸 | 健康経営 | ウェルビーイング経営 |
| 主な目的 | 従業員の疾病予防・生産性損失の低減 | 従業員の「幸福感」の総合的な向上 |
| 対象範囲 | 主に身体的健康・メンタルヘルス | 身体・精神・社会的・財務的・目的意識まで多面的 |
| 評価指標 | 欠勤率・プレゼンティーズム・ストレスチェック | エンゲージメント・生活満足度・心理的安全性 |
| アプローチ | リスク管理・疾病予防が中心 | ポジティブな状態の積極的な醸成 |
| リラクゼーションの位置づけ | 疲労回復・ストレスケアの施策の一つ | 心身のウェルビーイングを支える体験的施策 |
| 取り組みの方向性 | 「マイナスをゼロに」する発想 | 「ゼロをプラスに」する発想 |
健康経営が「病気・不調というマイナスをゼロに戻す」発想であるのに対し、ウェルビーイング経営は「ゼロをプラスの状態(幸福・活力・意味)に高める」発想です。両者は補完的であり、健康経営に取り組んでいる企業がウェルビーイング経営へと進化していくのが理想的な流れといえます。
ウェルビーイングの5要素「PERMAモデル」
ウェルビーイングを語る上で外せないのが、ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンが提唱した「PERMAモデル」です。ウェルビーイングを構成する5つの要素の頭文字をとったものです。
| P | Positive Emotion(ポジティブな感情) 喜び・感謝・楽しさ・安らぎなど、ポジティブな感情を日常的に体験できていること。 職場での実現策:施術後の「体が軽くなった」「気持ちよかった」という体感がポジティブ感情を生む。 |
| E | Engagement(エンゲージメント) 仕事に没入・熱中できている状態。「ゾーン」に入れること。 職場での実現策:体の疲れが取れることで、仕事への集中力・没入度が回復する。 |
| R | Relationships(良好な関係性) 職場での信頼・つながり・心理的安全性があること。 職場での実現策:施術の待ち時間や終了後に部署横断の会話が自然に生まれる。 |
| M | Meaning(意味・目的) 仕事に意味・価値・目的を感じられていること。 職場での実現策:「体を整えてくれる会社」という実感が、仕事への意味づけを支える。 |
| A | Achievement(達成感) 目標を達成・成長できている実感があること。 職場での実現策:「今月も体のメンテナンスができた」という小さな達成感の積み重ね。 |
リラクゼーション施術がPERMAの5大要素に関わる仕組み
「リラクゼーションとウェルビーイング経営がどう関係するのか」——この疑問に、PERMAの各要素を通じて答えます。
| PERMA要素 | リラクゼーションでどう実現するか | 具体的な施策例(Reairの場合) |
| P(ポジティブ感情) | 施術後の「体が軽くなった」「気持ちよかった」というポジティブな感情体験 | 月1回の定期訪問で「今月も楽しみ」という期待感を醸成 |
| E(エンゲージメント) | 「会社が体を気にかけてくれている」という実感がエンゲージメントを高める | 全社員が対象の施術で「自分も大切にされている」を体感 |
| R(良好な関係性) | 施術の待ち時間・終了後に部署横断の会話が生まれる | 施術スペースをコミュニケーションが生まれる場として活用 |
| M(意味・目的) | 体を整えることで仕事への集中力・意欲が回復する | 「体が整うと仕事も整う」という価値観を会社として発信 |
| A(達成感) | 「施術を受けた=自己投資できた」という達成感 | 施術後アンケートで変化を可視化し達成感を記録に残す |
リラクゼーション施術は「疲れを取る」という身体的な効果だけでなく、PERMAの全要素にアプローチできる体験型施策です。特に「E(エンゲージメント)」と「R(良好な関係性)」への波及効果は、単独の施策では得にくい複合的な価値を生みます。
京から始めるウェルビーイング経営━━段階的な取り組み方
「ウェルビーイング経営に取り組みたいが、どこから始めればいいか」という担当者向けに、段階的な取り組みを提案します。
| STEP 1 | 現状把握——従業員ウェルビーイングの現在地を知る ストレスチェックの結果・エンゲージメントサーベイ・離職率・欠勤率などを整理し、「どの要素が不足しているか」を把握します。PERMAの各要素ごとに課題を分類すると、施策の優先順位がつけやすくなります。 |
| STEP 2 | 「体験型施策」から始める——まずポジティブ感情を作る ウェルビーイング施策の第一歩として最も効果が出やすいのは「ポジティブな体験」の提供です。リラクゼーション施術・社内イベント・感謝カードなど、従業員が「よかった」と感じる体験を一つ実施します。 |
| STEP 3 | 継続と記録——効果を可視化して次の施策につなぐ 体験型施策を実施したら、簡単なアンケート(満足度・体の変化・気持ちの変化)で効果を記録します。記録があることで、次の稟議・予算確保が容易になり、継続的なウェルビーイング施策の基盤ができます。 |
ウェルビーイング経営は「すべてを一度に変える」必要はありません。まず一つ「従業員がポジティブな体験をできる施策」を実施することが最初の一歩です。その体験が従業員の「この会社はいい会社だ」という感覚を育て、エンゲージメント・定着率の改善につながっていきます。
まとめ
ウェルビーイング経営とリラクゼーションの関係についてまとめます。
✅ ウェルビーイングは「病気でないこと」ではなく「身体・精神・社会的に良好な状態」を指す
✅ 健康経営が「マイナスをゼロにする」のに対し、ウェルビーイング経営は「ゼロをプラスにする」発想
✅ PERMAの5要素(ポジティブ感情・エンゲージメント・関係性・意味・達成感)が職場ウェルビーイングの構成要素
✅ リラクゼーション施術はPERMA全要素に関わる体験型施策として機能する
✅ まず「一つの体験型施策」から始め、記録・継続することが成功の鍵
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